2017年2月15日水曜日

指の感覚

「このあたり…、腰骨の下2つぐらいが、悪そうですね」

「あ、そこ、触られると何かピリッとします」

「そうですか」

「そこが悪いって、わかるんですか?」

「そうですね…、他のところと違うんです。動かしてみると、ゆがんで、かたくなってるんです」

「へえー。触ってるだけみたいですけどね」

「そうですねー。でも、動かしてるんですよ」

 患者さんと、こんな会話をすることがあります。

 最近もそれがあったので、今回はそれについて書いてみます。


 思うに、オステオパシーの専門学校に入った頃は、やっぱりわかりませんでした。

 講師の先生が検査をして、「ここ、変でしょ?」と言われ、自分でやってみても、「?」でした。

 もっとも、指の感覚が鈍いという他に、検査のしかたが悪かった、つまり、的確な場所の、的確な方向へ、的確な力を加えられていなかったのかもしれません。でもどちらにせよ、異常のある部分を見つけることは、全然できなかったわけです。

 そういえばその頃は、厚手の本に髪の毛を挟み、何枚の紙を重ねてそれを感知できるか、訓練していました。

 また、左右の手に均等の感覚が得られるように、左手で箸を使ったり、両手を使っての歯磨きをしたりもしていました。(実は歯磨きは今も両手です。その方が、磨きたいところにうまく歯ブラシが届くので、便利なのです)

 しかし結局、実際にいろいろな方の施術をすることが、一番感覚を磨けたと思います。

 経験を積むにつれて、段々と段々と、それは鋭くなってきたように思えます。

 この道に入ってもう15年が過ぎていますが、そうやって身につけてきた感覚は貴重だなあ、としみじみ思います。

 それでお金をいただくことができるのですから、まさに、職人としての「財産」です。

 しばらく仕事を休んだら、鈍ったりするのでしょうか?

 正月明けとかに、そう感じることはないのですが…。

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