『どんなに体がかたい人でもベターッと開脚できるようになるすごい方法』という本がベストセラーになり、著者であるヨガインストラクターの方がテレビ出演もして、「開脚ブーム」が起きているそうなのです。
股関節をやわらげるということなのですが…、しかし、そこだけに注目するのは、ちょっと不思議です。
バレエをされている方の施術をすると、確かに股関節は、非常にやわらかいです。
しかし、腰がかたいとか、首がかたいとか、他の部分に問題があり、不調を訴える場合は多いです。
要は、体の一部が非常にやわらかくても、他の部分に問題があれば、やはり健康は損なわれてしまうということです。
ですから、股関節だけに注目する理由は、特にないと思うのです。
もっとも、これは一時的なブームで終わるでしょう。
僕がこの仕事を始めてからも、「乗馬マシーン」「大腰筋を鍛える」「ビリーズブートキャンプ」といった運動法のブームが、何度か起きていました。
もちろん、それらにメリットはあるでしょう。
ですが、それだけが特別視されるのは、やはりただのブームであり、マーケティングに成功した、というだけだと思います。
股関節をやわらげるのは、もちろんよいことです。
しかし皆さん、他のいろいろなところもやわらげましょう。
ちなみに、『どんなに体がかたい人でも』というフレーズは、誇張だと僕は思います。