2015年9月23日水曜日

鋭い視聴者になってください

 先日テレビで「痛みの原因は筋膜だった」みたいな番組をやっていたそうです。

 患者さんから聞いた話なのですが、実はその際にその方が、「でも、それだけとは限らないですよね」とおっしゃっていました。

 そうです。

 その通りだと、僕も思いました。


 筋膜とは筋肉を包んでいる膜なのですが、確かに、筋膜をやわらげることで取れる痛みもあるでしょう。

 しかし、筋膜と筋肉は完全に分離した組織ではありませんし、筋肉は骨に付着しています。

 そして、骨と骨は関節包や靭帯といった組織で結合されて、関節を形成しています。

 つまりは、筋膜も、筋肉も、骨も関節も、もっというなら体のすべての組織というものは、お互いに影響を与え合っているのです。

 ですから、筋肉をやわらげると筋膜がやわらぐ、関節をやわらげると筋膜もやわらぐ、といった反応も起こるわけで、原因を筋膜1つに絞るのは単純化しすぎのように思えるのです。


 本当にその方は、「鋭い視聴者」だと思いました。

 そして、ぜひ皆さんにも、そんな「鋭い視聴者」になっていただきたいと思うのです。

 嘘だとか不要だとか言うつもりはありませんが、テレビというのはどうしても、視聴率を取るために誇大な話をしがちです。

 しかし、それを一歩引いた視線で捉え、「そういう考えもある」程度に見ていただけると、あふれる情報に惑わされずにすむと思うのです。

 医学というのは実は、わからないこと、不確実なことが多いものです。

 そんな現実を冷静に捉え、いろいろな見方をし、その中から自分に適した選択ができる方こそ、健康を維持しやすいと僕は思います。

2015年9月17日木曜日

アレルギーについて/自分の場合と一般論

 今年は残暑をあまり感じず、一気に秋の気候になった気がします。

 自己診断ですが、僕にはアレルギー性鼻炎があるようで、今のような季節の変わり目に、それが発症します。

 おそらく、気温や湿度など「空気の変化」を、もしくは、「その時期に舞い始める何か」を体が察して、それに対して反応を起こすのです。

 大雑把に説明しますとアレルギーとは、本来反応しなくてよい体外の要因に対して免疫系が過剰反応を起こすことです。

 僕のようなケースや、花粉症なども、その一種といえます。

 なお、免疫系がその「要因」を「異物」と認識してやっつけようとする現象を「抗原抗体反応」と呼ぶのですが、その場合はその「要因」を「抗原」と呼びます。

 ちなみに、体外の抗原に免疫系がうまく作動しないケースが、感染といえます。

 身近なケースですと、風邪を引くことなどです。その場合、風邪ウイルスが抗原といえます。

 また、本来異物ではない自分の体に対して過剰反応(抗原抗体反応)を起こすのが自己免疫疾患、体内の抗原に免疫系が負けてしまうのが「がん」といえます(がん細胞が抗原で、それに対して免疫系がうまく作動しない)。

 整理すると、体外抗原への過剰反応がアレルギー、体外抗原への低反応が感染症、体内抗原への過剰反応が自己免疫疾患、体内抗原への低反応ががん、ということになります。


 さて、僕のアレルギー(?)の場合は、鼻水・鼻つまりが主な症状で、眼がかゆくなったり、のどが痛くなったりすることもあります。

 そして、異様に眠くなります。

 しかし、1日や2日で体が慣れてくるようで、症状はおさまってしまいます。

 特に対策はしていません。

 体がナイーブであるがゆえの、自然現象、恒例行事と考えています。

 眠くなった分だけ寝るぐらいで、1日か2日我慢するだけです。

 あとは、日頃から基本的な健康管理(食事・睡眠・運動・精神の安定と充実)をし、体が最善の働きをするように気をつけています。

 気候の変化ごとに何度か同様の症状が訪れるようなので、真冬になるまでに、まだ何度かありそうです。

 対策は特にありませんが、覚悟だけしています。

2015年9月14日月曜日

迷走?BRT

 9月5日から新潟市内に新たなバス路線が運行し始め、旧来の路線を含めて全線で、停留場所や乗り換え地点が新たに整備されました。

 その新路線は、BRT(Bus Rapid Transit)と名づけられています。高速輸送バス、のような意味でしょうか。

 バス2台を接続させた「連節バス」が走り始め、より便利で速い、バスによる人の移動を促すことが目的のようです。

連節バス

 しかし、運行開始日にICカード乗車券による精算に不具合が生じたり、連節バスが接触事故を起こしたり、いくつかのトラブルも生じています。

 精算の不具合が判明した後に、市内ほぼ全線の料金を無料とする措置が取られたりもしました。

 僕もその時にバスに乗る機会があり、無料でした。


 あくまで周囲の人の声ですが、評判は良くありません。

 連節バスは後ろに乗ると降りるまでが大変、乗り継ぎが増えた、そもそもメリットがあるのか、といった声が聞かれます。

 逆に、賛成の声は聞いたことがありません。

 ただ、恩恵を受ける人もいるのかもしれませんし、市民には今はわからないけど、10年か20年したら、あの時BRTをやっておいてよかった、という結論になるのかもしれません。

 政治的判断というのは、難しいものだと思います。