その巧妙さは、本当にもう物凄いものです(修飾語が多い?)。
今回は豆知識的に、そんな例をご紹介してみます。
頚椎(けいつい)1番と2番
首の骨の1番上が頚椎1番、その下が2番です。
ここは簡単にいうと、頚椎1番がリングで、頚椎2番がその下から棒を差し込んでいる構造になっています。ゆえに、頚椎1番は、頚椎2番の上で左右に回転するようになっています。
頚椎の中で、左右への回転(専門用語では「回旋」と言います)は、大部分がここでおこなわれます。
いかがですか?構造が機能を反映しているという意味が、おわかりでしょうか?
肩周辺
肩甲骨は、あばら骨の後方に、筋肉だけではりつけられています。ですから、非常によく動きます。
一方で、前方の1ヶ所で、鎖骨とつながっています。
そして鎖骨が、胸の真ん中にある胸骨というネクタイのような骨とつながっています。
ちなみに、「つながっている」というのは「関節を構成している」ということであり、「固定されつつも動く」状態ということです。
さらに、肩甲骨の外側は「臼(うす)」のようになっていて、腕の付け根の「球」になっている部分とつながってます。
関節の構造も、部分ごとに異なっています。このように球と臼になっている関節は、非常によく動きます。
つまり肩周辺は、よく動きつつも、体の中心部分と分離しないようになっているのです。
背骨
背骨全体を見ますと、首の骨が7、背中の骨が12、腰が5、その下にいわゆる尾てい骨(専門的には「仙骨」といいます)が存在しています。
先ほどの頚椎1番と2番以外は、それぞれほんのちょっとずつしか動きません。
しかし、1つずつがほんのちょっとしか動かなくても、背骨はたくさんありますので、全体としては大きく動きます。
ゆえに背骨というのは、「安定性と柔軟性」を備えた構造を持っている、といえます。
また、たくさんの骨があることにより「微妙な動き」ができます。ですから、バランスをとったりするのにも役立つのでしょう。
ちなみに、下へ行くほど背骨は太くなります。
下の方ほど強い力を受け止める必要があるから、そのような構造になったのでしょう。
股関節周辺
骨盤の骨と足の付け根の連結部分を、股関節と呼びます。
股関節も、肩甲骨と腕の関節に似ていて、骨盤が臼、足の付け根が球の構造になっています。
ここも非常によく動きます。また、股関節を動かす筋肉は、お尻とももについているのですが、これらの筋肉は人体の中でもとても大きいです。ですから、歩いたり走ったりするときは、ここをよく使うようになっているのでしょう。
そして、骨盤の骨は左右2つあり、尾てい骨をがっちり挟み込んでいます。
この部分は、あまり動きのある関節にはなっていません。
とてもよく動く股関節と、安定性がありつつも全体としてはよく動く背骨の動きを、しっかりと支える役割があるのだと思います。
簡単にご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
精巧ですよね、人体は。
僕はそこに、「美」も感じます。
ちなみにオステオパシーの原理の1つに、「構造と機能は相互に関与し合っている」というものがあります。
こういった解剖学を熟知し、それを生かした施術をし、体の構造を整えて機能を最大限高めようとするのが、オステオパシーなのです。