2015年10月21日水曜日

体表を触って内臓の病気がわかるか

 先日いらっしゃった方(Aさんとします)の知り合いの方(Bさんとします)が、あるマッサージを受けた際に肝臓が悪いと言われたそうです。

 Bさんは胃が悪くて薬を飲んでいたにも関わらず、です。

 しかも後日Bさんから、胆のうの病気が見つかりました。

 そこで不思議に感じたAさんが僕に、「こうやって体を触ることで内臓の病気がわかるものですか?」とおっしゃられました。


 そのお返事をそのままここに書きますが、結論としては、「明確にはわからないでしょう」。

 確かに、内臓性体性反射と言って、内蔵の不具合が神経の反射を通じて体表に現れることがあります。

 心臓の悪い人の左肩の痛みなどは有名ですし、僕の経験的にも、胃の悪い方はその裏側(背中側)の筋肉や関節が硬くなっている場合が多い気がします。

 しかし、それは「そうかもしれない」というだけであって、はっきりと断言できるものではないと思います。

 内臓の病気や機能を確かめるならば、やはりそれは病院に行って検査をするのが、一番確実なのではないでしょうか。


 僕らの業界の中には確かに、体表を触ることで内臓の病気を言い当てるような人がいます。

「あなたは○○が悪いですね」「このまま放っておくと○○が悪くなりますよ」という具合に、です。

 しかし、その精度は統計的に確かめられたものではないしょうし、理論的にも「単なるその人の考え」の域を出ていないと思います。

 そんなに断言されると信じてしまいそうですが、要は、それはその人の思い込みでしょう。


 冒頭のAさんの話によるBさんの件も、胆のうと肝臓は違うものですので、なぜ胆のうと言わなかったのかが、まず疑問です。

 近いからでしょうか?

 しかし、確かに近いですが、厳密には違うものですし…。

 仮に、もしBさんの件を「当たり」だと見なしても、Bさんの場合はたまたま当たっただけで、他に外れていることがたくさんあると思います。

 体表を触るだけでは、内臓の状況を正確に把握できることはないでしょう。

 できると言う人がいるならば、それはその人の思い込みだと、僕は思います。

0 件のコメント:

コメントを投稿

*コメントをいただけると大変嬉しいです。ただし、一般公開に不適切だと思えるコメントは削除させていただきますので、あらかじめご了承ください