2017年12月20日水曜日

本場アメリカのオステオパシー教育

 オステオパシーの専門学校在籍時代に、オステオパシー発祥のカークスビル大学へ、研修に行きました。

 今回は、そこで思ったことを書いてみます。


 オステオパシーには、患者さんをある姿勢に動かし、そのまま一定時間静止することで組織を緩ませる、という技術があります。

 その際に、「圧痛点」という部分を探して押して、その痛み具合をチェックポイントにして、施術をします。

 さて、カークスビル大学への研修で僕らは、その技術について有名な先生の講義を受けました。

 その時に少々驚いたのですが、その先生は、自分でその「『ある姿勢』を見つけなさい」というのです。

 それも、複数見つけろ、というのです。

 日本では、この圧痛点の時はこの姿勢、あの圧痛点の時はあの姿勢、とわりと決められた姿勢を教わっていました。

 でもその先生は言いました。

「患者さんが先生なんだ」と。

 
 僕は、自分で作った『ある姿勢』の1つを先生に見せました。

 すると先生は、「それだと組織が緩まないと思う」とおっしゃいました。

 しかし僕は、「でも圧痛は消えています」(これが組織の緩みを意味します)と言いました。

 そうしたら先生は、「そうか。じゃあ、いいんだな」とおっしゃり、僕のもとを去って他の生徒を見に行きました。


 これは素晴らしい教育だ、と思いました。

 日本で一部の先生は、「自分の言うことは正しいから、それを真似しろ。疑問を持つな」と言っていました。

 しかしアメリカではきっと、「重要点は教えるから、あとは自分で考えろ。私(講師)(先生)よりも、患者さん、つまり『目の前の現実』が『本当の先生』だ」という教育が行われているのだと思いました。

 最初は、とりあえず誰かの真似をする、という方法がやりやすいでしょう。

 しかし、その真似する相手が100パーセントの真理をつかんでいるわけではありません。

 そして、勉強はずっと続くのです。

 ですから、自分で疑問を持ち、自分で情報を得たり、考えたりし、現実と照らし合わせて分析する、という方法がその後は重要になってくると思います。

 その点で、アメリカの教育は素晴らしいと思いました。

 一方、日本人は体の使い方が上手で、1つ1つの技術の精度は日本人の方が高いのではないか、とも思いました。

0 件のコメント:

コメントを投稿

*コメントをいただけると大変嬉しいです。ただし、一般公開に不適切だと思えるコメントは削除させていただきますので、あらかじめご了承ください